腕がビリビリしびれる、痛い。自分でできる運動を紹介します。

健康

整形のクリニックで働いていると腕のしびれや痛みを訴えて外来リハビリに来られるかたは少なくありません。

なで肩の女性やデスクワークの多い仕事をしている男性、重いものを持ったり運んだりする肉体労働をしている方。

バックグラウンドは様々ですが、首や胸の筋肉が原因で腕のしびれや痛みが出る場合があるのです。

腕のしびれや痛みでお困りの方、それは胸郭出口症候群による症状かもしれません。

今回は腕のしびれや痛みにお悩みの方へ、胸郭出口症候群がどのようなものか、その対処法を紹介します。

1.胸郭出口症候群って何?

胸郭とは胸骨、肋骨、背骨の胸椎で構成されます。胸と肋骨と背中で肺を収めています。

首から腕にかけては神経や血管が筋肉の間や鎖骨の下をくぐるように、出口から出るように走っています。

電車がトンネルをくぐって外に出てくるようなイメージですね。

胸郭のあたりにある神経や血管がなんらかの理由で出口で圧迫されたり、締め付けらたりすると腕のしびれや痛みが出ます。

胸郭出口症候群は神経や血管の圧迫などによって腕の痛みやしびれが出る病気の一つです。

※日本整形外科学会より引用

2.胸郭出口症候群の種類

胸郭出口症候群にはいくつか種類がありますがその中でも筋肉が原因となって起こる2つを紹介します。

2ー1:斜角筋症候群

胸骨から第3~6頸椎の横突起という骨の出っ張り前面から第1肋骨に付着する首の筋肉を前斜角筋といいます。

前斜角筋の後ろには中斜角筋があり、その下には第1肋骨があります。

前斜角筋と中斜角筋、第1肋骨からなる三角形を斜角筋三角といいます。

斜角筋三角の中を鎖骨下動脈と腕神経叢という腕の筋肉や感覚を支配する神経の集まりが通ります。

斜角筋が硬くなったり、緊張したりすることで鎖骨下動脈や腕神経叢を圧迫することがあり、それによって腕のしびれや首に痛みが出ることを斜角筋症候群と呼びます。

2ー2:斜角筋症候群のスペシャルテスト

アドソンテスト

座位か立位で検査します。

まず、橈骨動脈の拍動を確認します。橈骨動脈とは手のひらを上に向けた状態で親指側の手首のところで脈拍を触れる部分があるので、指3本で拍動を探します。

しびれや痛みがある方の橈骨動脈の拍動を確認できたら、次は上を向くようにして頸部を伸展します。頸部を伸展したまま、症状のある方へ頸部を回旋させます。

右側に症状があれが上を向いたまま、右に回します。

拍動が減くなるか消失したら陽性です。

2ー3:小胸筋症候群

小胸筋とは肩甲骨の前の出っ張りである烏口突起から3~5番目の肋骨を走る胸の前の筋肉です。

この筋肉が硬く、伸びにくくなると肩甲骨が前に出ていわゆる「巻き肩」という状態になります。

猫背気味の方やデスクワークでパソコンに向かって長時間作業している方、またスマホを使っているときなどに頭が前に出てきてそれに伴い背中が丸くなり、肩が前にでてきます。

小胸筋の下には腋窩動脈という太い動脈が走っています。ちょうど小胸筋と肋骨の間のトンネルを通り抜けるように走っています。

巻き肩になると小胸筋は常に短縮した状態になり柔軟性が少なくなってきます。

凝り固まって血流も悪くなります。

小胸筋が凝り固まった状態を放っておくとトンネルが狭くなることで小胸筋の下を通る動脈や神経を圧迫したり、動きにくくなり腕のしびれや痛みが出ます。

2ー4:小胸筋症候群のスペシャルテスト

ライトテスト

座位で検査します。

検査者は患者の被験者の後ろに立ちます。

症状のある側の腕を下ろした状態で橈骨動脈の拍動を確認します。

症状のある腕を外側に捻り(外旋)、さらに上に上げていきます(外転)

その状態で橈骨動脈の拍動が弱くなるか、消えたら陽性です。

3.自分でできる運動(セルフストレッチ)

斜角筋症候群も小胸筋症候群も筋肉の硬さから腕のしびれや痛みが起こっているため、これらの筋肉を柔らかくしていくことで症状の緩和を図ります。

3ー1:斜角筋のセルフストレッチ(右の斜角筋をストレッチする場合)

左手を右の鎖骨の上のくぼみに当てます。

首を左に倒します(左側屈)

そこから軽く後ろに倒します(伸展)

そのまま5秒~10秒維持します。

強くストレッチすると逆に神経や血管を痛め、症状が強くなる場合があるので軽く行うようにしてください。

しびれや痛みが出たら中止してください。

3ー2:小胸筋のセルフストレッチ(右の小胸筋をストレッチする場合)

立った状態で行います。

両手を腰に回して右の手首のあたりを左手で掴みます。

右肘を伸ばしたまま左手で右手を後ろに引きます。

胸を張って肩甲骨を背骨の方に寄せるように意識して行います。

そのまま10秒ほど維持します。

右の胸の前が伸びている感じがあれば小胸筋がストレッチできています。

しびれや痛みが出たら中止してください。

4.セルフケアを行なってもよくならない、悪化する場合

腕のしびれや痛みが取れない。

ストレッチや運動を行うと悪化するという場合は整形外科のある病院の受信をおすすめします

腕のしびれは頸椎からきている場合もあるため自己判断は危険です。

病院の外来リハビリではさらに詳しく、その人に合った対処法を提案してくれます。

是非参考にしてください。

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