腰椎椎間板ヘルニアに対して手術以外にできること。保存療法のすすめ

健康

1.腰椎椎間板ヘルニアの方の悩みとは  

長年腰痛持ちで気をつけて生活していたが、くしゃみをしたら最後の一撃で動けなくなった。

子供の保育園の送り迎えで自転車に乗らないといけないのに腰が痛くてつらい。

腰が痛くて床に落ちたものを拾うのも苦痛。

着替えやトイレのときなど腰を曲げるたびに痛くて動きたくなくなくなる。

腰の痛みをかばっていたら足がしびれてきて歩くのもつらくなってきた。

病院に行ったら腰椎椎間板ヘルニアと診断された。手術が必要かもしれないと言われた。

だけど、手術は恐いしできるだけしたくない。でも痛みがずっと続くのは嫌。

手術以外にできることはないだろうか。

腰椎椎間板ヘルニアを診断された方、こんなお悩みはお持ちではないですか?

2.腰椎椎間板ヘルニアの患者さんをみて思うこと

 

私は病院に勤務する理学療法士です。職場は整形外科もある病院なので腰椎椎間板ヘルニアの患者さんに携わることも少なくありません。

なかには手術を選択して術後のリハビリとして関わることもありますが、私の経験では手術を選ばずにまずは保存療法を選択する方が多いです。

私がもしも腰椎椎間板ヘルニアと診断されて手術か保存療法か選ぶように言われたら保存療法を選ぶでしょう。

もちろんヘルニアは治したいけど自分の体にメスを入れるのは恐いし、痛そうだし、しかも手術したら絶対治るって保証もないなら尚更選びにくいです。

仮に手術することを選んだとして手術してくれる医師がどのくらいの腕があるのかわからないし、それで再発したらもっと慎重に考えるべきだったと後悔しそうです。

手術を選択しても飛び出したヘルニア部分を切除するだけで髄核が元どおりになるわけではありません。

また髄核が飛び出していても時間の経過とともに症状が少なくなる場合もあります。

実際、入院するほど酷い腰痛や足のしびれがあって歩行器にしがみつかないと歩けないほどの状態であっても日に日に痛みは少なくなって退院することには痛みはありながらも日常生活に戻れる方が多いです。

ただヘルニアが神経を圧迫したことで排尿や排便がしにくくなるなどの膀胱直腸障害が発生した場合は一発で手術の適応です。この症状があって病院で腰椎椎間板ヘルニアと診断されたらおそらく手術をすすめられます。

3.腰椎椎間板ヘルニアを放っておくとどうなる

 

3ー1:自然回復する過程とその後の予防が大事

腰椎椎間板ヘルニアでは急性期にはものすごく痛みがありますが2~3ヶ月くらいで痛みはほぼなくなり保存療法で改善する方が多いと言われます。

自然によくなっていくことが多いということですが、よくなる過程やその後の予防が大事なのです。

椎間板ヘルニアは背骨と背骨の間にあるクッションである椎間板のなかにある線維輪が破綻し、髄核というやわらかい組織が椎間板の外に飛び出して神経に触れたり炎症を起こすことで症状が出ます。

車や家と同じように年齢を重ねるごとに人間の体も劣化していきます。ヘルニアが起こったということはそれだけ椎間板の劣化がすすんでいるということで、他の椎間板でもヘルニアが起こりやすい状態になっているかもしれません。

その状態でなんの対策もせずに普通に生活するだけでヘルニアを予防できるのでしょうか?椎間板自体は鍛えることも強くすることもできません。家の柱みたいに工事して取り替えたりもできません。鍛えられるところ、強くできるところは限られています。

3ー2:長時間座ったままは要注意

長時間パソコンに向かってデスクワークをしている方、長距離トラックやタクシードライバーなど座った姿勢のままあまり動かない仕事をしている方は要注意です。

なぜなら、椎間板には立っているときより座っているときの方が負担が大きいからです。これには椎間板内圧といわれる姿勢によっと椎間板にかかる圧力が変化することが関係しています。

立っている姿勢での椎間板内圧を100とした場合、座った姿勢では140で約1.5倍、座った姿勢でさらに前屈すると185で約2倍に増加します。椎間板内圧が上がれば上がるほどかかる負担も大きくなります。

長時間の座った姿勢を維持していると腰椎の生理的前彎(前彎ぜんわん:背骨の正常なS字カーブ)が消失し、座ったまま前屈した姿勢と同様になります。

さらに椎間板ヘルニアで椎間板の機能が破綻すると短時間で前彎は消失します。

デスクワークやドライバーなど座ったままの姿勢で仕事をされる方は椎間板ヘルニアの方はもちろん、どうでない方もたまに立って椎間板内圧を下げてあげる工夫が必要です。

4.保存療法で行うこと  

4ー1:急性期に行うこと

椎間板ヘルニアと診断されて1週間くらいは急性期であり、神経根の炎症を伴っていることがあるため炎症を軽減させるためにブロック注射、安静、薬物療法が主体となります。

急性期の炎症が治まってきて始めの痛みよりも軽くなってきたら過度の安静は不要です。

4ー2:急性期が終わったら行うこと

⑴ 運動の習慣をつける

○ ウォーキング

歩いても腰痛や足のしびれが強くならないのであれば積極的に散歩やウォーキングを行います。歩くことで全身持久性や体力が向上し腰痛に強い体に変化していきます。

また歩行は全身運動なので全身の血液の流れをよくし痛みや疲労の原因となる物質の排出を促します。

○ ハムストリングスのセルフストレッチ

ハムストリングスとは骨盤の後ろから太ももの後面を通り膝下まで走行する長い筋肉です。膝を曲げる筋肉であると同時に骨盤を後傾(後ろに傾く動き)させる作用があります。ハムストリングスが硬くなると骨盤の前傾(前に傾く動き)が制限され、骨盤の上にある腰椎の生理的前彎を維持しにくくなります。生理的前彎を維持して腰椎の椎間板への負担を増やさないようにするためにはハムストリングスをやわらかくしておく必要があります。

仰向けで寝た状態で太ももの後ろを両手で持ち、膝を伸ばしたまま挙げられるところまで上げます。太ももの後ろのハムストリングスに少しつっぱり感を感じるくらいまで伸ばします。20秒ほど伸ばして元も位置に戻すを1セットとし、左右5セットが目安です。

腰や足が痛くて足を挙げられない方は枕やクッションの上に足を乗せるだけでもよいです。痛みが少なくなったら両手で持って持ち上げるようにしましょう。

○ バランスボールを使った運動

骨盤を前傾した状態でもも上げ運動を左右交互の行います。

腰椎の生理的前彎を維持した状態で、腰椎の前彎を維持するのに働く腸腰筋を使う運動になります。

バランスボールに座るだけで腰痛や足のしびれが強くなる場合は無理して行わずほかのできる運動を行ないましょう。痛みがなければできる範囲で行ってよいです。

左右5回3セットが目安です。

⑵ 減量

上半身の重さは体重の6割程度といわれており、体重が重いとそれを支えている椎間板にかかる重さも大きくなります。

標準体重よりも重い方は体重のコントロールを考える必要があります。

減量とはいってもただ食べないだけのダイエットは筋肉量も減ってしまうので注意して行わなければなりません。食事制限だけでなく筋肉を動かす運動を行うことが大事です

⑶ 自分に合った寝具を使う

寝ている姿勢も腰痛に影響します。自分に合っていない寝具を使用して寝ていてはすっきり起きられず疲労も取れにくくなります。日中活動しているときは腰痛があまりないのに朝起きたときは腰痛があるという方は寝具に目を向けてもよいのではないでしょうか?

他の記事でも紹介していますが腰痛対策のマットレスを使用することで自分に合った寝姿勢が得られるかもしれません。

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まとめ

腰椎椎間板ヘルニアの保存療法についてお話ししました。自然回復することが多い疾患ではありますが、再発予防には生活習慣に見直しが大事になります。ヘルニアを繰り返さないためにも今回の記事を参考にしていただければと思います。

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